過払い請求
過払いとは?
出資法の上限金利は現在では利息制限法の上限金利と同一ですが、平成22年6月18日に改正法が施行されるまで上限金利が年29.2%でした。利息制限法の上限金利から出資法の上限金利までの間の金利が、いわゆるグレーゾーン金利と言われるものです。多くの消費者金融やクレジットカードのキャッシングの金利は、このグレーゾーン金利で貸し付けが行われていました。
利息制限法所定の利率を超える利息は元本に充当するという最高裁判例により、取引履歴から超過利息を元本に充当する計算(引き直し計算)をすると、既に元本は完済し払い過ぎの状態になることがあります。これが過払い金です。
過払いの可能性は?
現在は利息制限法所定の金利内で借入であっても、過去の金利がグレーゾーン金利であれば過払いになっている可能性はあります。
逆に言うと、銀行などからの借入で過去にさかのぼってもグレーゾーン金利であったことがない場合には過払いが発生している可能性はありません。
任意整理
任意整理とは?
法定金利内での借入をしていて現在も債務が残っている場合や、引き直し計算をしても債務が残ってしまう場合に相手方の債権者と交渉し、原則として元金のみを分割で返済していくようにする手続きです。
任意整理のメリットは?
任意整理をすることにより月々の支払額が下がったり、本来支払うべき利息分を免除してもらいますので支払総額が減るというメリットがあります。
任意整理のデメリットは?
任意整理をすることにより信用情報機関に事故情報として登録されます(いわゆるブラックリストに載るということです)。ただし、任意整理をするまでに支払いが滞ったことがあれば、既に信用情報機関に登録されている可能性が高いです。
また、近年、貸金業者は経営状態の悪化により利息の免除に難色を示す場合があり、解決が長期化することも考えられます。
自己破産
自己破産とは?
債務者の方が支払不能に陥ったときに、その方の有する財産を強制的にお金に換価し、債権者に平等に分配する手続きです。ただし、換価する財産や分配する金銭がない場合には破産手続きは開始決定と同時に廃止されます(同時廃止)。免責不許可事由(ギャンブルなど)がなければ、免責の許可決定が出されます。
自己破産のメリットは?
免責の許可決定がでれば、非免責債権(税金、養育費など)を除いてすべての債権者への支払いが免除されます。
また、同時廃止であれば裁判所に予納する金額も2〜3万円で済みます(司法書士、弁護士の報酬は別途)。
自己破産のデメリットは?
自己破産をすることにより信用情報機関に事故情報として登録されます(いわゆるブラックリストに載るということです)。ただし、自己破産をするまでに支払いが滞ったことがあれば、既に信用情報機関に登録されている可能性が高いです。
また、破産手続き中は一定の職業(生命保険の募集、警備員など)に就くことが制限されます。
同時廃止でない場合には、管財事件となり破産管財人が手続きをすることとなりますが、その場合、裁判所に予納する金額が20万円以上必要になる場合があります。
個人再生
個人再生とは?
原則3年間で法律で定められた最低弁済額以上の弁済を行えば、残りの債務が免除される手続きです。個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生があります。条件を満たせば、住宅ローンを支払いながら住宅を守ることができる場合もあります。
個人再生のメリットは?
免責不許可事由に該当し自己破産の手続きを利用できない場合でも、再生計画どおりに返済を続ければ残りの債務が免除されます。住宅資金貸付債権に関する特則が利用できれば、住宅を処分することなく、住宅ローンは支払いを続けることができます。
個人再生のデメリットは?
小規模個人再生では再生計画案に債権者の過半数の賛成を要し、債権者の反対により再生計画案そのものが認可されない場合があります。自己破産に比べ、手続きにかかる費用(司法書士、弁護士の報酬を含む)が高額になります。